ニュース・お知らせ
テーマ・概要
「環る」
地球環境の変化は大きな災害を呼び、国際情勢や経済環境の変化により、新たに生まれる価値は有用な過去までも消し去り、時に地域や人々のつながりまでも壊してしまいます。これは人為によってまわり、めぐっているとも捉えられます。同じところにかえることができないとすれば、今、必要とされるのは、地域や街や人々を快復させる力なのかも知れません。
開催地「常滑(とこなめ)」は、六古窯の一つで、焼き物の世界的産地でした。産業構造の変革により役割を終えた煙突や窯が壊され、往時の風景は消えつつあります。この街が、この地が育んだ文化が、過去を継承しつつ、よみがえる知恵を、ここ「常滑」を舞台に、日本から地球へと拡げて考えてみましょう。
ごあいさつ
公益社団法人日本建築家協会
第13代会長
佐藤尚巳
JIA建築家大会2023東海in常滑に寄せて
昨年のJIA建築家大会in沖縄では「首里城の輪郭‐失われたことで見えてくるもの」というテーマを掲げ、多様性、持続可能な開発、保存再生について議論しました。
今年の建築家大会の開催地は愛知県の常滑です。常滑は古くから焼き物の街として栄え、陶管の生産によって日本の社会インフラを支えてきた街です。近年は産業構造が変化したことで陶管がPC管に代替され、煙突が林立し栄華を誇った焼き物の街が廃れてしまいました。現在は幾つかの工場施設が産業遺構として当時の姿を忍ばせています。昨年は愛知芸術祭の会場の一つとなり、斬新なアートが街や施設を彩り、多くの来街者の関心を集めていました。
今大会のテーマは「環(めぐ)る」です。加えて、かえる、まわる、よみがえる、という意味も込められています。沖縄からバトンを受けついで、失われつつある地域の貴重な財産を題材に街や地域文化の再生について考えます。大切なものが失われないように災害への備えや気候変動対策についても議論を展開したいと思います。他の街にはない独自性の高い地域資産に新しい価値を見出すことで、街に活気が蘇り地域の人々が元気になる道筋を建築家として考えましょう。
JIA建築家大会2023東海in常滑
大会委員長
小田義彦
テーマ「環る」
2005年日本国際博覧会「愛・地球博」が開催された年に、岐阜で開催して以来18年ぶりに全国大会を東海支部で主幹する事になり、昨年「国際芸術祭あいち2022」の会場の一つとなった、常滑市で開催する事になりました。
開催地 愛知県常滑市は「とこなめ(床が滑らか)」の名の通り、良質な粘土(きめ細かい赤土)が取れ傾斜地が多く登り窯を作り易い地形から、日本六古窯の一つとして平安時代から大型陶器・美術陶芸品・生活食器など焼物の街として栄え、港から世界各地にも輸出されました。産業構造の変化により、400基超の煙突や3000基超の窯も徐々に壊され、往時の風景は消え去り人口流出が止まりません。これは、空き家問題とともに日本の現代社会に共通する課題でもあります。人と街の関係は時間の経過とともにまわり、めぐっていると言えます。同じ処にかえることがないとすれば、いま必要とされるのは、アップサイクルにより街を快復させる人々の知恵なのかもしれません。
人と街が育んできた良質の文化を継承しつつ、街をよみがえらせる知恵を、JIA建築家がここ「常滑」を舞台に出しあい、全国へ世界へと発信していきたいと考えます。
東海支部長
大瀧正也
「常滑・とこなめ」でお待ちしております。
皆さん、こんにちは いよいよ「常滑・とこなめ」においてJIA建築家大会が開催されます。 近年のコロナ禍により、世の中の活動や動きは立ち止まった状態でした。
また開催地である「常滑」のまちも、ある意味歴史の中で、その歩みを緩め、立ち止まっている状況なのだと感じています。 「それでは、どうしたら良いのか」
「とにかく歩きだしてみましょう」
歩くことは、前向きに外に向かう気持ちです。
歩きながら・・・・常滑のまち・生活を見てみて下さい。
歩きながら・・・・新しい活動の芽吹きを感じることが出来ると思います。
歩きながら・・・・仲間と共に「考えてみましょう」
どうしたらワクワクする様な事が起こるのか。どうしたら同じ時間を仲間と共有する喜びを感じられるのか。どうしたら共に生きていく工夫を見つけられるのか。
建築家が気付けば、必ずまちを生き返らせるきっかけとなると思います。役割を明確にし、色々な仲間と共に考える事の重要性を感じ取っていただける大会にして参りたいと思います。是非、多くの建築家の皆さんが参加されることを期待致しますと共に、東海支部一丸となりホスピタリティあふれる対応で皆さんをお迎えしたいと思います。
「常滑・とこなめ」でお待ちしております。
大会実行委員長
浅井裕雄
小さくて大きな 大会をめざして
小さな組織でもできるコンパクトな大会として、テーマや議論は大きく広がる、濃密な建築家大会をめざします。そのためには、地域を優先するプログラムつくりに心がけ、身の丈でできることでありながら、全国の方に共感いただけるよう大会準備をしています。
テーマ「環る」は、時代が進むにつれて、劣化するものや陳腐化するものも、知恵をつかって元の状態へ、そしてさらにアップグレードされることをめざしていくというテーマと考えます。
全国組織である我々だから、地域の枠組みを超えた仲間とテーマをもって大会を一緒につくりあげることを目的に「建築家大会ウイーク」を企画しました。多くの支部や委員会がこの企画に賛同いただき、感謝申し上げます。
ここから、みんなでつくる建築家大会のあり方を模索していきたいと考えます。
最後に会場となる「常滑」とは、大会後も建築家団体として、よりそい続けることを宣言しておきます。今後も、建築家大会が地域とともに深く結びつき、「頼れる建築家」「頼れるJIA」を実践できるよう始めましょう。
プログラム概要
プレウィーク
建築家大会ウィーク
10月12日(木)から11月8日(水)
webを中心にテーマに沿った議論を各種会議や地域の人たちを交えて考える4週間。
小規模だけど密度の濃いイベントを企画中。
こちらの企画は、各支部からのアイディアを受け付けます。
本大会
本大会 11月9日(木)から11日(土)
テーマ「環る」プラスに転じて復活させる力を考える3日間。
11/9 :シンポジウム、各種会議、ウエルカムパーティなど
11/10:大会式典、メインシンポジウム、レセプションなど
11/11:エクスカーション
会場について
大きく3つのエリアで構成しています。
1.メイン会場周辺エリア
■常滑市民文化会館
各種シンポジウム、大会式典、エクスカーション(空港島)など。
2.やきもの散歩道エリア
■常滑の産業繁栄の痕跡を体験できるエリア
旧青木製陶所、旧丸利陶管など常滑窯業の跡地をつかった会場。
各種会議、ミニシンポジウムなど。
3.陶芸研究所・INAXライブミュージアムエリア
■常滑の文化と歴史が学べるエリア
堀口捨己作品「陶芸研究所」当時のままの姿を残しています。(登録有形文化財答申中)
INAXライブミュージアムは窯のある広場では陶管の窯と煙突が保存。(登録有形文化財・近代化産業遺産) ウエルカムパーティや各種会議、ミニシンポジウムなど。
タイムスケジュール
アクセスマップ
感染対策について
「JIA建築家大会2023東海in常滑」における新型コロナウイルス5類移行後の対応について。
新型コロナウイルス感染症が、令和5年5月8日以降は、季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に移行されておりますが、「JIA建築家大会2023東海in常滑」の開催に際しましては、引き続きコロナ感染対策に効果的な換気・手洗い・アルコール消毒など慎重な感染対策にご協力頂きますよう宜しくお願い申し上げます。
また、マスク着用につきましては、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる事を基本としつつも、高齢者など重症化リスクの高い方への感染を防ぐため、マスク着用が効果的な場面では、着用を推奨いたします。